当たり前だけど、写真は思い出になる
前回は久しぶりのPEN-Fで撮ってきて、便利だけど何か物足りなさを感じるのがデジタルなんだなぁとか思ってみたりした。
Nikon F3 AI nikkor105mm F2.5S ACROS100 GTX830
PEN-FのEVFで仕上がり具合を見ながらの撮影は便利ではあるが、TTLで見る外の景色に焼き付けたあと、どんな写真になるのかを想像しながら撮っているのとでは、撮影時のイマジネーションや脳裏に残る風景の量と質、そして撮れた写真への思い入れが違ってくるんだよね。だからフィルム写真は必ずプリントするし、失敗したコマがあってもなかなか捨てれずに溜まってしまうんだろうな。
今の時代でも、データの画像としてではなくてプリントしてはじめて1枚の「写真」としての価値が生まれるんじゃないのかな。よぼよぼになるであろう老後はパソコンなんか使えないだろうから、撮り貯めた写真を収めたアルバムをめくっては昔を懐かしむ毎日だろうね。
Lマウントニッコールはよいレンズだ
前回もう一か所立ち寄った大泉寺という古刹。
Voigtlander SUPER WIDE HELIAR15mm F4.5
前の記事でニッコールレンズ3本持って、と書いたけれど1本はフォクトレンダーだった。てっきりニッコール35mmを持っていったと思っていたのにバッグを開けたらフォクトレンダーだったのがラッキーだった。このお堂には、戸を開けてご参拝ください、中に入ると照明のひもがあるので軽く引っ張ってください、と書いてあったので中に入らせていただいた。こういうシチュエーションはやっぱり広角じゃないと(でも換算30mmだけど)無理だしね。
不謹慎かともおもったけどちゃんと手を合わせたし・・・撮らせてくださいってお参りしたし・・・
なにか色んな説明書きがあったが、ぼんくらな自分には何の仏様だかよくわからなかった。
参道にきれいな楓?があったのでカラーで。
Nikkor PC85mm F2
マイクロフォーサーズでは170mmの望遠域となるが、程よい距離感覚で使える(と思うのは自分だけかもしれないが)ところが気に入っている。
ここにも石仏がたくさんある。本堂に安置されている仏像とまた違って外にある石仏、石像はより民衆の心や願いが込められているような感じを受けるんだよなぁ。
Nikkor-HC5cm F2
仁王門にはこれまた古そうな仁王様が見下ろしております。
その足元には草鞋。
古いニッコールレンズの描写にうっとりしながら久しぶりのPEN-Fもやっぱりよいなぁと思った次第で。フィルムだとその場で確認ができないのでシャッターをきるのが潔くなるけど、デジタルはその場で何度も撮っては確認を繰り返してしまうので、結構な時間をかけていることに気づく。フィルムはスローな時間を・・・なんて言ってみたりするが、案外デジタルの方が撮影のテンポ自体はスローなのかもしれない。フィルムのスローな感じというのとは違う次元なんだと。フィルムは気持ちに余裕がもてる感じで、帰宅した後も撮ってるときの状況や光景をよく覚えているしね。デジタルはカメラのモニターばっかり見ていて風景のことはあんまり覚えてない印象とでもいうか。自分はやっぱりフィルムのスロー感の方が好きかな。
古人の声が聞こえるようだ
今回は使わなきゃ勿体ない久しぶりのデジタル、オリンパスPEN-FとLマウントニッコールレンズ、HC5cmF2,W-Nikkor.C3.5cm F3.5,そしてNikor-PC8.5cm F2の3本をバッグに詰め込んで出掛けた。
場所は新潟県柿崎の山間の静かな古刹、楞巌寺だ。ここは上杉謙信の家臣、柿崎和泉守影家が1534年に建立した提寺だという。
影家公が静かに眠っているここへは何度となく訪れては墓前に手を合わせている。
山間の静けさと小鳥のさえずりしか聞こえない、落ち着いた場所だ。
山門をくぐるとお地蔵さんたち、石仏群が出迎える。参道から墓地、そしてさらにその奥へと石仏は並んでいる。戦国時代には戦や疫病など、失われた多くの命と想いをこの石仏が受け止めているかのように並んでいる。
特に名刹という訳でもないが、それがいいんだろうな。越後人の自分としては、やはり謙信公の重臣のお墓があるというだけでなんだか特別な場所のように思えてしまう。
おだやかな表情の石仏群。純粋に昔の人々の願いや、失われた尊い命を供養しようと彫られた石仏からは、昔の人たちの声が聞こえるようだ。
そんな気持ちになればやっぱり写真もね、ちょっと深みのある撮り方がしたくなるよね(これが深みのある写真かどうかはあくまで自己満足であるが・・・)。
こういう露出表現をしたいと思うとやはりデジタルは超便利である(^.^)
FM3AなんかにもAEロックはあるんだけど、露出具合と仕上がりを確認しながら撮れるってのはホント便利だね、今更だけど。
そんなこんなでヤブ蚊に刺されながらも一通り撮り終えて、次なる目的地、大和寺観音堂へと向かった。
次回へ続く。
カメラを持つと普通じゃないことが普通に思えてしまう怖さ
木造3階の家屋が狭い路地を挟んで犇めくように立ち並ぶ街の風景。
ここは普通の住宅地。ただすぐ背後が山ですぐ目の前が海、というごく狭い限られた平地にある街なので密度は高く、住むスペースを確保するには上へ上へといくしかない。
いろんなところでカメラマンのマナーの悪さが取り沙汰されているからね。
Nikon F3 Ai nikkor35mm F2S
ACROS100 GTX830
珍しい風景だからと、部外者がズカズカと入りこんで無神経にシャッターを切るのはやはり気が引ける。本来なら他人様の家を撮るなんて普通なことじゃないんだよね。
すれ違うおばちゃんに「こんにちは」と一声かけて数枚撮らせていただいて、静かに立ち去った。
ゆったりと時間を楽しむ休日
先日Nikon FM3Aを携えて富山県の新湊、内川へ行ってみた。
評判通り日本のベニス(本当のベニスなんて行ったことは勿論ない)。
平日は散策する人もまばらで、のどかな風景を楽しめるとても良い場所だ。
雑誌やネットでは観光スポット的に紹介されているが、特別に観光地化しているわけでもなく、普通に生活感のある街の佇まいが妙に落ち着く。
洗濯物も風でゆれてるよ(^.^)
Nikon FM3A Ai nikkor35mm F2S
ACROA100 GTX830
自宅からは遠いけれど、ここはお気に入りスポットになりそうだ。そして、ここから少し走るとちいさな街だが、沢山の運河にかかる橋が生活に溶け込んだ、とても風情あるもうひとつのお気に入りのスポットがある。いずれまたゆっくりと訪れたいと思ってる。
小さな町の祭礼
5月の半ばに訪れた小さな町で、地域のお祭りに出くわした嬉しい偶然。
駐車場に車を止めて外に出ると祭囃子が聞こえてきたので、音の方向に路地を抜け、また抜けたところで獅子舞とその一群を見つけた。
祭りに参加する子供たち、そしてその親御さんたちだろうか、カメラを構えたり笛や太鼓の音とともに笑顔が囲んでいた。
NIkon FM3A Ai nikkor105mm F2.5S
ACROS100 GTX830
暑くて大変だろうけど、笛や太鼓の音を聞くとなぜか懐かしいような、心が踊るような気持ちになるのは、日本人の習性なんだろうか(^.^)