冬の楽しみ方
前回引き取らせていただいた中の1台、Canon FX。
外観はすこぶる汚れていたので、機構もちゃんと機能するのか少し不安だったのだけれど、まずは普通に触れる状態に拭きふき磨いて大雑把ではあるけれど動作チェックをしてみて、これならイケるかなぁというところまでになったかな。
裏ぶたを開いたら装着しようとしてスプールまで引き出されてはいるけれど、噛まされていないフィルムが入っていた。こういうのを見るとただカメラ個体だけを見ているのとは違って、このカメラが前のオーナーに確かに使われていたんだよな、という実感が伝わってくるが、いつの日にかデジタルカメラへと移行し、この個体は手垢と埃にまみれたまま何年も仮死状態だったんだろうな・・・と思うとなんだか擬人化されてきて哀れに思えてくる。
でも今、復活・生き返った(と思うよ・・・)!
幸いなことにレンズにもシャッター膜にもカビもなく、そこそこの実用に耐えうる程度で十分だ。
大柄なボディに重いレンズ。レフレックスの典型的デザインと旧体ロゴが昭和を感じさせてくれるから、なんともノスタルジックな空気を感じつつ、新しいフィルムをセットし試写にでも・・・と思ってはみたけれど、モルト交換がまだだし外は雨風吹き荒れる冬の空だし、みかんでも食べながらゆっくりと作業を進めるよりほか仕方がないようだ。